
当初から男の墓場プロダクションの映画公開形態は2本立てしか考えられなかった。かつて1970年代終盤まで、日本映画の興行形態は2本立て、3本立てが主流だった。それも単なる抱き合わせではない、計算されつくした合い口のいい作品どうしによる同時上映が。映画館が娯楽の殿堂として沸き返った背景に、そのシステムがあったのではないかという考えと、新しい世代にも2本立て3本立てシステムのおもしろさを知って貰いたい。手間は二倍三倍だが、その価値はあるはず、である。
物語の本線は、いい話。イキな男と、素敵な女。そしてスカッとしつつ、泣ける、いい話。男の墓場プロダクションは日本人がどこかへ置いてきてしまいそうな当たり前のいい話を描いていく。そのメッセージに共鳴してジャンルを越えた凄いメンバーが男の墓場プロダクションに集結した。
『任侠秘録人間狩り』の主演は、かつて1970年代に『特攻任侠自衛隊』『戦争の犬たち』という本格戦争映画を制作、主演したスーパー・コンバット・アーミー、飯島洋一。『怪奇!幽霊スナック殴り込み!』の主演は『月とチェリー』『タカダワタル的』などで注目の女性映画監督、タナダユキが担当。意表をついた墓場流のキャストが実現した。
他にも演劇界、音楽界、出版界などから意表をついた墓場流キャストが集結。『怪奇!幽霊スナック殴り込み!』で主人公を助ける渡世人役に扮した島口哲朗は『キル・ビル』に次ぐ映画出演。『キル・ビル』でもユマ・サーマンとルーシー・リュウの殺陣指導を行ったが、本作でも殺陣指導を担当。ダイナミックかつ流麗な殺陣シーンは必見である。